――静かなデジタルデトックス――
この回は、「情報から一歩引く」ための、いちばん小さな入口です。
一日が終わったはずなのに、
頭の中だけが終わっていない。
そんな感覚に、心当たりはありませんか。
身体は椅子に座っているのに、
意識はまだ画面の中を行ったり来たりしている。
多くの人が、知らないうちにこの状態で夜を迎えています。
疲れている原因は、忙しさそのものではありません。
情報の多さです。
私たちは一日に、想像以上の情報を浴びています。
文字、画像、音、通知。
どれも必要なものですが、
すべてを受け取り続けるには、感覚はあまりに繊細です。
本来、五感は
微かな変化を味わうためのもの。
ところが情報が多くなりすぎると、
感じる前に「処理」することに追われてしまう。
この状態が続くと、
感覚は少しずつ鈍っていきます。
デジタルデトックスという言葉に、
身構えてしまう人もいるかもしれません。
スマホを捨てる必要はありません。
便利さを否定する話でもない。
ただ、一時的に距離を取るだけでいいのです。
画面を閉じる。
通知を止める。
それだけで、目はふっと楽になります。
私は、何も見ない時間を意識的につくっています。
最初は落ち着きませんでした。
つい手が伸びる。
何かを見逃している気がする。
それでも続けているのは、
そのあとに訪れる静けさが、確かだからです。
情報から離れると、
不安になる瞬間があります。
置いていかれるような気がするからです。
でも実際は逆でした。
情報を減らすほど、
自分の感覚が戻ってくる。
これは逃げではありません。
自分の位置を取り戻す行為だと感じています。
五感を休ませる、小さな工夫
今日は、ひとつで十分です。
・通知を一日オフにしてみる
・画面を見ない時間を30分つくる
・目を閉じて、音だけに意識を向ける
・手触りや温度を感じてみる
全部やる必要はありません。
一つで、十分です。
情報を減らすと、
暮らしは不便になると思われがちです。
けれど実際は、
静かになり、輪郭がはっきりしてくる。
必要なものと、そうでないものが分かれていく。
五感は、刺激よりも余白を好みます。
まずは減らすことから。
そこに、整いは自然とやってきます。
全部を変える必要はありません。
今日できたことが一つあれば、それで十分です。
画面から目を離す。
窓の外を見る。
手の温度を感じる。
情報を減らすと、
感覚はちゃんと戻ってきます。
今日は、ここで終わりにしましょう。

