朝、目が覚めても、外はまだ少し暗い。

部屋の空気も冷えていて、
布団の外に出るまでに、少し時間がかかる。

もう少しこのままでいたい。
冬になると、そんな朝が増えていく。

床に足をつけたときの冷たさや、
白く頼りない朝の光を見ると、
季節が深いところまで来ているのを感じる。

この時期になると、
自然と外へ向かう気持ちが少なくなる。

早く帰りたくなったり、
あたたかいものの湯気を、ぼんやり眺めていたくなったり。

にぎやかな場所より、
静かな灯りのある場所のほうが落ち着く。

夕方は思っているより早くやってきて、
まだ何も終わっていないのに、
一日が静かに閉じていく感じがある。

少し気持ちが追いつかないまま、
暗さの中に置かれていく。

灯りの明るさや、
部屋のあたたかさも、
この時間の感じ方を少し変える。

強く照らすより、
少し落とした光のほうが落ち着くこともあるし、

体が冷えているときは、
無理に動くより、
あたたかい場所に身を置くだけで楽になることもある。

でもその中で、
手の中のぬくもりや、小さな灯りが、
前よりも深く残る。

熱いお茶を両手で持つこと。
湯気の立つ汁ものに、ほっとすること。
毛布の重さに、少し安心すること。

そういうものに触れていると、
気づかないうちに、
張っていた気持ちがゆるむ。

光も、音も、外のにぎわいも、
春や夏ほどは届いてこない。

冬に落ち着く理由は、
外の世界が静かになっていくぶん、
自分の感覚も、戻りやすい。

でもその少なさは、
ただ寂しいだけではない。

少なくなるからこそ、
やっと自分に戻ってこられる感じがある。

冬は、
そうやって静かに内側へ戻っていく季節なんだと思う。

次回 内側へ戻っていく感覚の中で、ひとつの流れが見えてくるかもしれません。

晩秋の静けさについては、ひとつ前の記事でも触れています。